Wi-Fiとは、無線LANの国際規格のひとつ。無線LANは、家庭やオフィスといった狭いエリアの中で、IT機器を無線の電波でつないでつくるネットワークのこと。Wi-Fiが普及する前は、パソコンもプリンターもゲーム機も、電話線のようなケーブルでつないで、有線LANでネットワークをつくっていた。そのケーブルのかわりを無線の電波でおこなうのが無線LANだ。
■フリーWi-Fiははたして安全だろうか?
Wi-Fiが使えるスマホやタブレット端末、PCなら誰でも自由に無料で利用できる、Wi-Fi(無線LAN)によるインターネット接続サービス。契約しているデータ容量がそろそろいっぱいになりそうなときや、電波が不安定なときに助けられた経験がある人も多いだろう。
一方で「うまくスマホとつながらない」「いつもは大丈夫なのに今日はなぜか速度が遅い」といった声も耳にする。またセキュリティリスクも高く、個人情報やクレジットカード情報の漏洩、ウイルス感染なども心配だ。
そのフリーWi-Fiははたして安全だろうか? 端末のWi-Fiネットワーク名の表示をみてみると、カギマークが付いているものと、付いていないものがある。カギマークが付いていないのは暗号化されていないWi-Fiネットワークということ。たとえば大手飲食店に入り、Wi-Fiネットワークに接続したらカギマークなしのフリーWi-Fiだったとする。できることならギガ節約のためにカギ無しでも使いたいところだが、はたしてどれほど危険なのだろうか。
暗号化されていないWi-Fiは、悪意あるハッカーにとっては鍵がかかっていない玄関と同じ。通信内容はほぼハッカーに盗み見されていると思っていい。だが、言いかえれば、友だちとのメール交換やwebで調べ物したり、YouTubeでミュージックビデオを楽しむといった、別に盗み見されても平気なものなら心配はない。
また、ブラウザでアクセスした時にURLの欄にカギマークが出ているものは、通信自体が暗号化されるので安全だとは言われている。とはいえ、仕事の大事なメールやデータの送受信はやはり危険だ。そういうセキュリティ面での万全さを求めるなら、暗号化なしのWi-Fiの利用は避けるべきだろう。
■無料Wi-Fiスポットの危険性
回線の契約なしで、誰でも自由に使える便利なサービスですが、利用には注意が必要です。盗聴、ウィルス感染、乗っ取りなど、無料Wi-Fiスポットで多発しているインターネット被害という問題が現実に起きています。
■無料Wi-Fiスポットでおこる被害の内容
通信内容を盗み見される
ネットバンクで入力した口座番号やパスワード、通販サイトの買い物でクレジットカード決済を行う場合のカード番号や有効期限が、盗み見される危険があります。
不正アクセス、ウイルス感染
スマホやパソコンが勝手に操作されて、保存している連絡先やURL、個人情報、プライベートな写真がコピーされるなど犯罪に悪用される可能性があります。
一般に開放されている無料Wi-Fiスポットは、利便性が優先されるため、安全性はどうしても低くなります。
また無料Wi-Fiスポット付近では、悪質な犯罪者が盗聴の機会を狙って、暗号化されていないネットワークを公開していることが多いです。お店がサービスとして開放しているWi-Fiに接続したつもりが、見知らぬアクセスポイントに接続していることもあり得ます。
被害を防ぐ対策
自分の大切なスマホやパソコンを守るためには、セキュリティを万全にして防御対策をとるか、無防備なら無料Wi-Fiスポットを一切使わないかのどちらかです。
自分が設定した長いパスワードが覚えられなくて、スマホのメモ帳機能に書き留めているような人は使わない方が賢明です。それでも、「どうしても!」ということはあります。
■無料Wi-Fiスポットを利用する際の注意点とは
そんな緊急事態に備えて、無料Wi-Fiスポットを利用する際の注意点をまとめてみました。
無料Wi-Fiスポットでやってはいけないこと
①暗号化されていないアクセスポイントは使わない
Wi-Fiネットワーク表示画面を開けたときに、カギのアイコンのないWi-Fiスポットには注意が必要です。
「None」「WEP」「WPA」などの表示がありますが、これは暗号化の種類を示すものです。
「None」はセキュリティ対策がされておらず、「WEP」は暗号化されてはいますが安全性が低くおすすめできません。「WPA」となっているWi-Fiを選ぶのが無難です。(あまり数は多くありませんが)
②正体不明のアクセスポイントに接続しない。
気づかずに怪しいWi-Fiに接続していることもあります。正しいWi-Fiにつながっているかを確認するためには、その無料Wi-Fiスポットを提供しているお店または場所が掲示している内容を確認して、もしもおかしなWi-Fiに接続していたら、すぐに接続を切りましょう。
③ログインが必要なページにアクセスしない。
無料Wi-FiスポットでのWi-Fi利用は、WEBページの閲覧程度にとどめておくべきです。ID・パスワードを使ってログインするネット利用は、パスワードを盗まれる可能性があります。ネット通販などはもってのほかで、重要な個人情報を含むやりとりは避けるべきです。
④個人情報を含むアプリを使わない。
個人情報を抜かれる可能性が高く、仮に想定すると出会い系アプリなどを使っていて、その情報が漏えいなどすると脅しにも利用されかねません。(過去事例があるわけではなく、あくまでも最悪のケースとして想定したものです)
⑤常にWi-Fiへの接続を許可している設定にはしない。
Wi-Fiを常に接続許可してしまうと、知らぬ間に正体不明のアクセスポイントに接続してしまう可能性があります。無料Wi-Fiスポットでインターネットを使う用事が済んだらWi-Fi機能を OFF にするのを忘れてはいけません。「つながらない」ことも、悪質なネット被害から大切なスマホを守る対策です。
もちろん、無料Wi-Fiスポットは外出先では非常に便利です。
ただし、便利さの裏に危険が潜んでいることを踏まえたうえで利用することが重要です。
■訪日外国人向けWi-Fiは日本に住んでいても使える?
ところで、フリーWi-Fiといえば、最近至るところで目にするようになった「訪日外国人向けサービス」。観光やビジネスで日本にやってきた外国人を対象に、無料でインターネット接続サービスを提供している。多くのサービスはApp StoreやGoogle Playでアプリを無料で配布し、事前に個人情報を登録することで利用が可能になる。
気になるのは、日本に住んでいる人でもこうしたサービスを利用できるのかどうかだ。答えは「サービスによって異なる」。訪日外国人向けとアナウンスしているサービスであっても問題なく使えるものもあれば、登録段階でNGが出るものもある。
訪日外国人であるかどうかは、端末や登録情報の内容で判別している場合が多い。参照するのは端末のSIMカード情報や、登録に使用するSNSアカウントの居住地や電話番号情報など。「外国人はWi-Fiが無料なんていいな」と思うところだが、事業者のサービス目的はさまざまだ。